視覚関係 <同行援護従業者養成研修>  視覚障がい者の外出支援を行う同行援護従業者養成研修を5月、6月、9月の日程で開催しました。今年も新型コロナウイルスが猛威を振るい、開催が危ぶまれる期間もありましたが、参加者様のご協力もあり、すべてのコースを予定通り実施することができました。 実技演習では参加者同士で交代しながら手引きの練習を行っていただき、情報提供について皆さんで意見交換も行いました。「良い研修だった」とのご感想も頂いております。引き続き、受講者の身になる研修を実施できるよう努めて参ります。 同行援護従業者の養成研修修了後に、実際仕事に就かれて困っていることなどありましたら、地域講習会でフォローアップも行っておりますので、お気軽にお問い合せください。 <点字図書館体験教室>  点字図書館について知り、点訳・音訳の体験をすることで、視覚障がい者福祉や点字図書館の蔵書活動についての理解を深めることを目的として、「点字図書館体験教室」を実施しています。昨年度は、新型コロナウイルスの影響で、なかなか実施することができませんでしたが、今年度は7月に音訳の体験教室を実施しました。  10月以降は下記の日程で実施予定です。点字図書館や点訳・音訳に少しでも興味のある方、ぜひお申し込み・ご参加ください。  ●音訳体験:10月13日、12月8日、令和5年2月9日  ●点訳体験:11月10日、令和5年1月12日 <視覚障がい者福祉地域講習会>  視覚障がい者やその関係者からの要望に応じて、補装具・日常生活用具等についての講習会を県内各地で開催しています。 昨年度は新型コロナウイルスの影響でほとんど実施できませんでしたが、今年度上半期は松山市と宇和島市にて計3回開催することができました。いずれも情報機器の操作に関する内容でした。 今後もご希望に合わせた内容で実施しますので、関係者の方々も含めてぜひご連絡ください。 聴覚関係 <聴能訓練 保護者講座> 6月23日に訓練児さんと共に、松山聾学校幼児体験学習に参加しました。まず、幼稚部の朝の会の様子を見学し、天気しらべや今日の行事について手話を真似しながら先生と確認を行う姿に接し、その後、幼稚部および教育相談の利用説明もあり、聾学校での教育の現状を詳しく知ることができました。体育館での合同保育では、自己紹介の場面で好きな物をテレビに映して紹介するなど視覚的に分かりやすい工夫がされていたり、夜店屋さんごっこでは食べ物も擬似的に楽しめるよう工夫されており、とても楽しく参加できました。10月に開催される第2回目の幼児体験学習も今から楽しみです。 <視聴覚障がい者情報機器操作講習会>(写真) ・電話リレーサービス講習会(聴覚障がい者および関係者対象) 8月6日に電話リレーサービスの利用が初めての人や登録を検討している人を対象に、サービスの仕組みや利用方法を説明し、登録の手続きについても解説しました。(一般財団法人 日本財団電話リレーサービス様によるZoom配信での講習会) 参加者からは、「電話リレーサービスの仕組みがわかってよかった」「選択肢が広がって嬉しい」との感想をいただきました。 <子どもの聞こえセミナー>  9月16日に保健師や保育士等を対象とした子どもの聞こえセミナーをZoom配信にて実施し、四国中央から八幡浜までの多くの方々に参加していただくことができました。 午前中は当センター職員による聴覚障がいの基礎的な話から当センターで行っている難聴児への支援について説明を行いました。 午後から、愛媛大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科の寺岡正人(まさと)医師より、同院における新生児スクリーニング検査後の精密聴力検査の実情やスクリーニング検査の有用性と課題について大変分かりやすくご講演いただきました。その後、鷹の子病院 愛媛人工内耳リハビリテーションセンター センター長 髙橋信雄先生より、聴覚障がい児に関わられた長年のご経験も踏まえて、聴覚障がい児の理解と支援について貴重なご講演をいただきました。 参加者からは「新生児聴覚検査での早期発見と早期療育が重要だと分かった」「県内での聴覚障がい児への支援について知ることができ、今後支援が必要な方に出会った時の参考になった」「健診で子どもたちをみる保健師として難聴の可能性も頭におき、丁寧に子どもの発達をみていきたいと思った」「聴覚障がい児が不安感のないように、みんなと場面の共有もできるように保育したいと思う」などの感想をいただきました。 今後もニーズに合わせて多くの保健師や保育士の方々に、より聴覚障がいや聴覚障がい児の支援について知っていただける機会を実施できればと思います。 <耳と聞こえのセミナー>(写真) 第2回耳と聞こえのセミナー『聞こえQ&A ~耳鼻科医による講演会~』を7月9日(土)に感染対策徹底のもと、当センターにて開催しました。2年ぶりの開催ということで多くの方々にご参加いただき、愛媛大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科の寺岡正人(まさと)医師に「聞こえと加齢難聴」というテーマでご講演いただきました。 たくさんのスライドを用いて、聞こえの仕組みから難聴の種類や加齢難聴の特徴について、また、難聴と認知症の関連についても分かりやすく説明していただきました。最後に難聴の予防と正しい補聴器の理解についてのお話があり、難聴にならないために、騒音環境を避け、生活習慣の改善を行い、難聴になってしまったら、まずは耳鼻科で相談し、正しく補聴器を使って、楽しい会話をしてほしい、とアドバイスがありました。そして、難聴者と接する周りの方へのお願いでは、難聴者は早口での会話や騒がしい場所、後ろからの急な呼びかけが苦手で、マスクで表情や口の形を読み取れないので、筆談や身振りを交えて視覚情報を加え、静かな環境でゆっくり、はっきりと正面から伝えることが重要であると教えていただきました。 参加者からは「講座の内容が良く、不安なことも知ることができ、今後の参考にしたい」「分かりやすく説明していただき、質問の時間も取っていただけて有り難かった」などの感想がありました。アンケートにて聞こえの便利グッズ(日常生活用具含む)の展示を希望される方が多かったので、次回のセミナーで実施できるよう考えていければと思います。 <夏休み親子点字・手話体験教室>(写真)  小・中学生を対象に、点字や手話を体験することで視覚・聴覚障がい者への理解を深めてもらおうと、毎年学校の夏休み期間中に「夏休み親子点字・手話体験教室」を実施しています。今年度は8月1日(日)に、15組32名が参加してくれました。  まずセンターの説明を聞いた後、手話と点字の体験では、簡単な手話を学んだり、点字器を使って実際に点字を書いてみたりしました。親子で体験を楽しむ様子も見られ、学びの場であると同時に、親子のふれあいの機会にもなったのではないかと思います。  参加者の皆さんからは「勉強になった」「楽しかった」「もっと体験してみたかった」などの声をいただきました。これを機会に、少しでも障がい者に対する理解を深めてもらえればいいなと思います。暑い中ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。 *予定しておりました「聴覚障がい児交流会」は新型コロナウイルス感染拡大により、中止となりました。